笑顔畑の山ちゃんファームの山ちゃんです。
先月、Yui Supportの玉置さんがライターの菅原岬さんを連れて
笑顔畑の山ちゃんファームを取材に来てくれました。
Yui Supportの玉置さんは、子育てをしながら今年起業し
食と農と人を結び新しい価値を創造し未来に繋ぐコンセプトに、
地元農産物の普及に取り組んでくれています。
ライターの菅原さんは、浜松が好きすぎて、千葉から浜松に移住し、
フリーライターとして活動しています。
菅原岬さんがまとめてくれた、笑顔畑の山ちゃんファームの想いです。
長いですが、ぜひ最後まで読んでください。
以下ブログより全文引用させていただきます。
浜松市天竜区春野町(以下、春野)。浜松の街なかから車で走ること約1時間で辿りつける、山あいの町です。きらめく緑と川のせせらぎーー。
私たちのすぐ近くに、こんなにも自然豊かなエリアが広がっているのは、とても貴重なことだと思います。
この春野の自然に囲まれて「子どもたちに未来をつなぐ」ため、おいしい野菜をつくり続けている農園があるのをご存じですか?
笑顔畑の山ちゃんファーム代表の山下光之さんに、春野の魅力や農業への想いを教えていただきました。
笑顔畑の山ちゃんファームとは?
「喜び・感動・笑顔の和をつなげる農業」を実践する、春野で100年以上つづく農園です。現在の代表、山下光之さんで4代目になるそうです。
山ちゃんファームの畑は、山下さんのひいおじいさんが開拓してくれたもの。
移住当時は、荒地だった土地を、牛や人力で何年もかけて耕してくれました。
その苦労の裏にあったのは「子どもや孫が、この土地でずっと生活を営んでいけるように」という、ひいおじいさんの想い。
そのストーリーは、山下家に代々語り継がれています。
春野の豊かな自然に囲まれて、のびのびと育った山下さん。樹齢1,300年を越える春野杉のパワースポット、飛び込んだり魚を捕まえたりした思い出の気田(けた)川。
豊かな子ども時代を過ごした、温もりあふれる春野が大好きだそうです。
「ゆくゆくは僕も農業をやるんだろうな」。自然とそう思うようになったそうです。年を重ねるにつれ、
先祖代々守りつがれてきた畑への感謝の気持ちも大きくなっていきました。
実家を継ぐために、東京農業大学で土壌学を学びました。
「いろんな経験ができたけれど、東京は苦しかったですね。都会のゴミゴミした感じがとても苦手で……。早く春野に戻りたいと思っていました」
大学を卒業して2年後、24歳で春野に戻り実家を継ぎました。「おいしい野菜をつくって届け、人々の笑顔を増やしたい」という想いを胸に。
▲思い出の気田川沿いには、約100本もの桜並木が。これは、山下さんのおじいさんが、町の皆さんと協力して植えたもの。
春には満開の花が、春野の人々の心を和ませています。
若くしてぶつかった人生どん底の時期
大好きな春野に戻り、夢だった家業に携わった山下さんですが、数年後に経営の危機に見まわれます。気候変動の影響を受けて、
当時の主力産品だったチンゲンサイの収量がどんどん減っていったのです。経営は行きづまる寸前でした。
「おいしい野菜をつくるために大切にしてきたことよりも、お金(収益)のことしか見えない時期が長く続きました。もうダメだ……ギリギリまで追い詰められていたんです」
ある日、そんな山下さんを変える出来事が起こります。
「中村文昭さんという先生の講演を聞く機会があったんです。テーマは『何のために、誰のために』でした。身震いがしましたね。
あぁ、僕は農業を『何のために、誰のために』しているんだろうと思って。それまでの僕は、できないことを環境のせいにしたり、人のせいにしたりしていたんです。
自分の原点をもう一度考えるきっかけをもらいました」
それから、山下さんは、さまざまな勉強会に参加して「自分の農業」を見つめ直します。
「おいしい野菜をつくり届け、人の笑顔を増やしたい」という初心を、だんだんと取り戻していきました。
ついに2012年、笑顔畑の山ちゃんファームへと農園名を変更。経営理念も「農業を通して、喜び・感動・笑顔の和をつなげる」に定め、新たなスタートを切ったのです。
▲新たに実を結んだキュウリと花
山ちゃんファームの3つの使命!
大きな困難を乗り越えて、自分がすべき農業のあり方に辿りついた山下さんには、“3つの使命”があるそうです。
1つは、農業で春野町を元気にするということ。春野や農業の魅力に触れてもらう、たくさんの農業体験イベントを開いています。
田んぼに入るときの足の感触や、原木に打ったシイタケの菌が育って食べられるようになることなど。
畑での体験を通して、子どもたちに命の感動を味わってもらっているそうです。
2つは、農業者として、食の大切さを伝えるということ。人間は、ほかの生き物の命をもらって生きています。
そのことを、農業体験会ではもちろん、地域の中学校でも伝えているそうです。
そして、3つ目が、山ちゃんファームの野菜で食卓を笑顔するということです。
山下ちゃんファームのメンバーも「とにかく楽しく!」を、モットーに野菜をつくっているそうですよ!
「今では、自分の役割や使命をきちんと分かっていて、その道をしっかり歩いているという感覚があります。
辛かったどん底の時期も、自分が大切にしたい想いを形にする良い機会だったんだと思えます。
人生が楽しいですよ。大変なことはいろいろとありますけれどね」
誰もが豊かに生きていける春野を実現するために
春野の中にも外にもたくさんの笑顔を生み出しつづける山ちゃんファーム。これからは、どのように展開していくのでしょうか?
「春野の魅力を、もっと多くの人に知ってもらいたいですね。春野という町は、皆さんが想像する以上に ”開けた田舎” なんですよ。
こんなにも豊かな自然が広がっているのに、浜松の街なかも近ければ、新東名を使えば東京まで車で3時間ほど。
ですが、若い人の多くのは、春野の外へ出ていってしまいます。それは、春野に仕事がないからなんですね。
都会に移った人でも『本当は、春野が大好き。仕事さえあれば、春野に戻りたい』という人はたくさんいます」
山下さんのひいおじいさんが、子どもや孫のためにと畑を切り拓いてくれたように、雇用を産める新しい仕事を創りたいーー。
そんな想いから『山のするめ大根』の生産を開始しました。
「『山のするめ大根』は、そのまま料理に使える切干し大根です。噛めば噛むほどダイコンの甘みとうま味が広がる、春野の名産品です。
材料のダイコンは、地元の農家さんがつくってくれたもの。そのダイコンを山ちゃんファームが仕入れ、
特別に加工して販売することで、農家さんの収入にしてもらう仕組みになっています。
そうした地域の人材活用を含めて『山のするめ大根』が、プロジェクトとして春野の活性化につながったらいいなと思っています」
「山のするめ大根プロジェクト」のほかにも、耕作放棄地の再生に取り組む「春野耕作隊」も立ち上げたそうです。
地元の人の口に入る野菜を耕作放棄地でつくれたらと、トウモロコシを育てて町内で販売しています。
農家仲間のほか、近隣の大学にあるボランティアサークルと共同で進めているとのこと。
「『春野耕作隊』の理念は『春野を耕し、春野を育て、春野で生きる』です。
春野という町ごと耕して、魅力や人をみんなで育てていき、誰もが楽しく生きていける町にするという意味です。
少しずつ、同じ思いの仲間が繋がるようになってきましたね。5年後10年後には必ず形になると信じて、日々向き合っています」
▲桜の樹の間から差し込む陽の光
次回のイベント情報:さわやかな秋風感じる、稲刈り体験Day!
日時:2019年10月19日(土)10:00~13:00
※雨天の場合は、10月26日に順延します。
集合場所:春野ふれあい公園駐車場(浜松市天竜区春野町領家45-1)
スケジュール
09:45 受付
10:00 田んぼに移動 説明
10:15 稲刈り・はざかけ
11:45 休憩
12:00 新米でおにぎりづくり
13:00 解散
参加費 ※昼食代・保険料込み
大人 2,500円
中高生 1,000円
小学生 500円
未就学児 無料
メルマガにご登録いただいた大人の方は、参加費が500円オフになります!
メルマガは、山のするめ大根ホームページよりご登録ください♪
詳細は、Facebookイベントページにてご覧ください。
笑顔畑の山ちゃんファーム
所在地:静岡県浜松市天竜区春野町堀之内128
電話/FAX:053-985-0128
MAIL:info@yamanosurume.com
ホームページ:http://www.yamanosurume.com/